「なぁ、俺が死んだら墓は建つのかな」


「建つと思いますよ。ファブレ家の跡取りが死んだとなれば、それはそれは豪勢な墓が建てられますよ」


「ファブレの家にはアッシュが居る。本当のルーク・フォン・ファブレはあいつなんだから、墓は建たないんじゃないか」


「ファブレ夫妻はあなたも息子と認めました。だったら公式ではなくとも建ててくださるでしょう。それにアッシュがごねずに帰るかどうかは疑問ですしね」


「そうかな。でも、その墓にジェイドは来てくれないんだろ」


「・・・・・・ずいぶん冷たく見られたものですね。行きますよ。あなたの墓なら。キムラスカにある以上そうたびたびは行けないでしょうけど」


「じゃあさ、グランコクマのジェイドの家にでも作ってくれよ」


「あなたの墓をですか?」


「ちっちゃいのでいいんだ。どうせ俺はレプリカだから死体なんてないから場所取らないし。小鳥の墓みたいな小さい墓でいいからさ。ジェイドの傍に作ってくれよ」


「じゃあ、そのときは毎日花を持って行ってあげますよ」


「はは、なんか花を持ってるジェイドなんて想像つかねぇや。似合っているだけに不気味そうだ」


「おや、失礼ですね。もういい加減、子供は寝なさい。明日辛いですよ」


「子ども扱いすんなよ!」




(花なんかいらないから忘れないで、とはさすがに言えなかった)






君のための昨日、私のための明日